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日評アーカイブズとは

日評アーカイブズでは、日本評論社が1918（大正7）年より刊行した書籍のうち、主として現在市販されておらず、いま改めて刊行したい書籍について、一定数の「予約」が集まったものを電子書籍（PDF）とオンデマンド印刷本（POD；ハードカバー）として復刊します。

弊社は、1918年創業以来、様々な社会的環境の変化の中で、創業の精神を引き継ぎ、本年（2018年）に創業100年を迎えました。

これまで、創業100年記念としてスタートした「日評アーカイブズ」をご利用いただき、ありがとうございます。

今回、創業100年の年の特別企画として、「日評アーカイブズ」では、戦前の以下の代表的な講座をPDF版とPOD版で提供することといたしました。

『現代法学全集』（全39巻）
『社会経済体系』（全20巻）
『新経済学全集』（全20回配本・未完）
雑誌「日本評論」（pdf版のみ）

この特別企画は、予約が一定数に達してから販売を開始する通常の方式ではなく、すぐに購入が可能となります。

これらの書籍は、発売当初より理論的水準の高いものと評価を得たものです。理論的にも歴史的にも価値ある書籍をぜひ、手にとっていただければと思います。

弊社は、1918年創業以来、様々な社会的環境の変化の中で、創業にあたっての精神を引き継ぎ、2018年に創業100年を迎えることになりました。

弊社は戦前の大正デモクラシー期に産声を上げ、社会科学の分野を中心として、人文科学、歴史学、自然科学に至るまで多種多様な書籍、雑誌を刊行してまいりました。

ご存じのように、戦前の日本は大日本帝国、天皇を主権者とする国家体制でした。現在の日本国憲法下では表現の自由は主権者である国民に保障されておりますが、大日本帝国では、国民は「臣民」であり、表現の自由は「法律」により制限されておりました。例えばそれは1925年に施行された治安維持法の条文、この法による自由の制限、弾圧が行われたことをみても、明らかなことです。

さて、このような戦前の時代、弊社は創業時には文藝を中心に出版をしておりましたが、昭和の初めにかけて（1927年）、社会科学・社会問題の分野の比重を高めていきました。このような中で、1938（昭和13）年から1943（昭和18）年にかけての河合栄治郎事件、1942（昭和17）年から1945（昭和20）年にかけての横浜事件と、戦前を代表する二つの言論弾圧事件の試練にも見舞われました。

弊社が表現の自由、言論の自由を堅持する出版社との評価を得ていることもこうした経緯によるものといえます。

ひるがえって、弊社が100年を迎えようとする時代は、表現の自由の問題をとってみるとその保障が必ずしも広がっていく状況ではないといえるのではないでしょうか。こうした時代に出版社としての弊社の社会的使命は、表現の自由の場として、時代にその立ち位置を明確にするとともに、弊社とともに歩んできた様々な方々によって創り出された出版物、その知的財産を改めて現在に復刻させること、とりわけ知的財産の再生の意味は大きいと考えております。

そのために前者については、今後刊行する出版物の中で実現していく努力を続け、後者については新たに「日評アーカイブズ」を立ち上げ、取り組みを始めることにいたしました。

現代社会が人権豊かな社会として発展するためには、表現の自由を現実的に実現することが不可欠であり、そのことは出版社に課せられた最も重要な責務です。

100年は弊社の単なる節目ではなく、社会と切り結び、立ち位置を明確にしつつ出版社の社会的使命を果たすための機会として捉えております。

「日評アーカイブズ」は、その最初の一歩として多くの方の期待に応えるものとして、スタートいたします。

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