【著者】 田畑 忍 著
【発行】1949年
【頁数】354ページ
著名な憲法学者である著者が、法、憲法、国家、政治に関する論文をまとめたもの。
はしがきにおいて、本書の基調をなす見解は、法と国家と政治とは、概念的に同一範疇のものであるのみならず、国家が中心的な契機となって、それが可能になっているという趣旨であると述べている。
そのような視点から構成された本書は、現代の憲法、国家、政治の関係を考察するうえでも重要な文献であるといえる。
(底本:1949(昭和24)年6月25日発行 第1版)
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復刊済み
目次
第一章 憲法学の法律学体系における地位
一 序説
二 学問とその種類
三 特殊的学問としての法律学
四 法律学の諸部門と憲法学
五 各国共通の憲法学と各国別の憲法学
六 憲法学の性格
第二章 法律解釈の科学的可能
一 解釈
二 法の解釈
三 法律解釈学
四 法律解釈学の発達に於ける自由法学と論理法学
五 学理的法解釈の科学性
第三章 道徳規範に対する法規範の優位
一 規範としての法及び道徳
二・三 道徳優位説概観
四 道徳優位説の吟味
五 法と道徳との相異に就ての諸説
六 国家の一元的規範たる法
七 道徳に対する法の優位
第四章 法に於ける慣習と條理
一 法源
二 習俗と習律
三 慣習の法化
(特註)慣習法の性格
四 慣習法の成立
五 條理
六 條理を法なりとする立場の否定
七 條理法の成立
八 基本的條理法と派生的條理法
第五章 憲法と憲法意識
一 諸言
二 社会規範と社会意識
三 法と法意識
四 憲法と憲法意識
(特註)我が国に於ける憲法概念の諸類型
第六章 憲法秩序論
一 事実的秩序としての憲法秩序
二 憲法的体系としての憲法秩序
三 憲法により規律せられる生活過程としての憲法
第七章 法の妥当及びそれの根拠としての国家権力
一 法的秩序としての法と権力関係
二 法妥当の問題
三 法妥当の根拠としての国家権力
第八章 国家・統治権及び主権の同似性
一 国家の標識としての国権
二 国権の本質
三 国権・統治及び主権の關係に就ての学説
〔Ⅰ総説 Ⅱ所謂正統学派に属する諸家の主張 Ⅲ所謂非正統学派の緒家の主張〕
四 要約
(特註)憲法制定権力論批判
第九章 統治及び統治権の解釈
一 「帝国憲法義解」の解釈
二 井上毅の解釈
三 伊東巳代吉及び金子堅太郎の解釈
四 穂積八束博士及び上杉愼吉博士の解釈
五 陸実の解釈
六 佐々木惣一博士の解釈と私見
七 日本国憲法の主権及び国権と統治権
第十章 法及び法学の政治性
一 二つの立場
二 法と政治との交渉を否定する類型
三 法と政治との交渉を認める類型
四 政治の優位と法の覊束
五 法の政治性と法学の政治性