【著者】 穂積重遠
【発行】1933年
【頁数】390ページ
最高裁判事も務めた著者による、「珍しい事件」「面白い裁判」についての100の小話(引用判例は129件)。60話ほどは『現代法学全集』に連載したもので、残りは書き下ろし。
巻頭には、同じく『現代法学全集』所収の「法学入門」が掲載されており、なぜ法を学ぶのか、法とは、裁判とは何か、法律家とはどうあるべきかなどについて語られている。
1話2~5ページほどの読み物であるが、それぞれの事件・裁判の肝がコンパクトに整理・紹介されており、「民法・商法・刑法が生きて働いて居る所」がわかるようになっている。
明治から昭和初期にかけての「法律問題」から、庶民の生活、社会状況がいきいきと伝わってくるのも見どころである。
(底本:1933(昭和8)年4月20日発行 第7版)
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予定価格 (PDFのみ):
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2,640円(税込) 2,400円(税抜)
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予定価格 (PDF+POD):
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9,900円(税込) 9,000円(税抜)
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目次
法学入門
一 何のために法律を学ぶか
二 現行成文法
三 法律家の聖書
四 ローマ法を通して
五 「流行遅れ」にならぬ様
六 法律不遡及の原則
七 法律と命令
八 普通法と特別法
九 実体法と手続法
一〇 受験の秘訣
一一 法律の用語文章
一二 慣習法
一三 法律の解釈適用
一四 自由法と自由書
一五 判例の共同研究
一六 判例法
一七 條理
一八 善き法律家
判例百話
第一話 遺骨争ひ
第二話 亡父のした身元保証
第三話 大阪市の膨張
第四話 薬瓶の間違
第五話 刀と鞘
第六話 拇印は捺印か
第七話 捕らぬ狸と捕つた狸
第八話 養母と實父
第九話 實子と養子
第一〇話 五十萬圓の拾ひ物
第一一話 私生児の母
第一二話 妾腹の子を嫡出子出生届
第一三話 社債償還の抽籤をせぬ会社
第一四話 持廻り決議
第一五話 鶴屋と云ふ商標
第一六話 湖面を高めない義務
第一七話 フイルム家事
第一八話 怪しからん番頭
第一九話 寄附金の著服
第二〇話 呉服屋の払ひ
第二一話 裁判所のタイプライター使用
第二二話 妹婿と姉との相続爭ひ
第二三話 子が親の葬式を出すのは当然か
第二四話 村八分
第二五話 型摺の投票
第二六話 いつ盗んだのか
第二七話 三ツ矢の商標
第二八話 敷金
第二九話 崖崩れ
第三〇話 宣伝ビラ
第三一話 通り抜けの権利
第三二話 「竹の柱に茅の屋根」
第三三話 造作代
第三四話 中華民国人の虻蜂取らず
第三五話 掌中の玉を奪はれる
第三六話 駅弁の悪口
第三七話 交通妨害と往来妨害
第三八話 大審院の男子貞操論
第三九話 書夜の境界
第四〇話 船燈の不注意
第四一話 解散は法人の致命傷
第四二話 安からう悪からう
第四三話 業平八橋
第四四話 戸別訪問
第四五話 小泉策太郎氏は官吏か
第四六話 大学湯
第四七話 膏薬代は現金で
第四八話 催促の仕方
第四九話 執達吏も命懸け
第五〇話 十年振りの賭博
第五一話 口語体の上告文
第五二話 口語体の判決文
第五三話 医者の広告
第五四話 父は子の為に隠さず
第五五話 廃物利用の罪
第五六話 内縁の夫を他人扱ひ
第五七話 阿片の素通り
第五八話 胎児と養子
第五九話 酔墨淋漓
第六〇話 化粧品か薬品か
第六一話 豆合戦
第六二話 花骨牌月ヶ瀬探梅
第六三話 今様常盤御前
第六四話 棒利と天引
第六五話 「押売お断り」の押売
第六六話 配達された手紙は誰のものか
第六七話 父が夫娘が妹
第六八話 「鵺に似たり」
第六九話 五年目の立腹
第七〇話 細工過ぎる
第七一話 親父が年下
第七二話 近所迷惑
第七三話 飛んだ傍杖
第七四話 秘密遺言
第七五話 株主総会の泥試合
第七六話 公然とは何か
第七七話 麻雀の勝負は技術か偶然か
第七八話 麻雀牌の売却
第七九話 神戸から大連へ
第八〇話 大連から青島へ
第八一話 一月二日は休日か
第八二話 三十一日目の総選挙
第八三話 十一月三十一日
第八四話 罰酒料
第八五話 乱暴な催促
第八六話 国家の借金踏倒し
第八七話 夫婦同居の強制執行
第八八話 妻の衣類調度と夫の権利
第八九話 乱暴な薩摩守
第九〇話 Trade Mark
第九一話 陸湯の温度
第九二話 盗まれた指環
第九三話 野次防止団
第九四話 二月三十日
第九五話 年末郵便物
第九六話 執行猶予と罰金との軽重
第九七話 身代り事件
第九八話 教鞭を執る
第九九話 実費診療
第一〇〇話 天に二日なし