本書は1905(明治38)年11月21日に陸軍省によって刊行されたもので、1868年から日露戦争の前年の1903(明治36)年の間を取り上げた官選の明治陸軍軍制史で、資料的価値はすこぶる高い。
監修は元帥陸軍大将の山縣有朋で、この当時は参謀総長である。解題の中で、本書の資料は公的記録あるいは公文書であり、それなりに信頼すべきであるが、絶対的なものではないので、なお研究の余地はあると書かれている。
とはいえ、日本帝国陸軍史を研究する上で、これほど貴重な資料はない。また巻末にはA2サイズの兵部省から始まる陸軍の階級とその氏名が書かれた年表(「陸軍省及陸軍官衛系譜」)が織り込まれており、ここからさまざまな歴史学以外の探究も可能である。
(底本:1942(昭和17)年12月25日発行 初版)
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