【著者】 大河内一男 著
【発行】1940年
【頁数】492ページ
本書に収められた論文に共通するのは、「社会政策を経済機構に係わらしめて、即ち経済機構の内部から、捉えようとする態度」(序)であり、「社会政策を、労働者に対する保護でなく、『労働力』に対する『保全』と『配置』のための製作と考えようとする態度」(同)である。マルクス経済学に基づく理論的な分析を社会政策に持ち込み、伝統的な「観念論」「道義論」にもとづく社会政策論からの「解放」を企図した、著者若き日の代表作の一つ。
(底本:1940(昭和15)年7月15日発行 初版)
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目次
序
前篇 社會政策の基本問題
一 社會政策の形而上學―エドゥアルト・ハイマンの社會政策論を評す―
第一節 社會政策論に於ける傳統の崩壊
第二節 エドゥアルト・ハイマンに於ける社會政策論の構造
第三節 批判
その一 社會政策に於ける「二重性」の問題
その二 社會政策に於ける「主體」の問題
その三 社會政策に於ける「限界」の問題
第四節 社會政策と資本制經濟
その一 社會政策の經濟的必然性
イ、直接の生産行程より生ずる社會政策の必然性
ロ、經濟の總行程より生ずる社會政策の必然性
ハ、勞働力の「本源的蓄積」行程としての社會政策
ニ、社會政策の經濟的必然性の齎す諸效果
その二 社會政策の社會的必然性
その三 社會政策の成立を促すその他の諸要因に就て
結語
二 社會政策に於ける生産と分配―社會政策の構造に關する二三の考察―
三 勞働保護立法の理論に就て
序言
第一節 勞働者保護の必然性
第二節 勞働力の順當なる保全
第三節 勞働保護法とその他の社會政策立法との關係
イ 自然的存在より社會的存在へ
口 勞働保險立法
ハ 「解法立法」
結言
後篇 社會政策と日本經濟
一 社會政策と福利施設
二 危機に於ける社會政策の形態
三 社會政策の日本的形態
四 人的資源と社會立法
五 我國に於ける社會事業の現在及び将来―社會事業と社會政策の關係を中心として―
六 社會政策と統制經濟
七 「休養」の社會的意義
八 失業と轉業
九 職業輔導の現代的意義
十 賃銀統制の論理