本書は二つの部分から成っている。
「志んさい日誌」は、当時十五銀行本店庶務課長だった著者が
達者な文章で綴った、震災当日から40日あまりの記録である
(大正12(1923)年9月1日~10月10日まで)。
日誌の「後記」の日付は昭和5(1930)年3月28日となっている。
本書「震災日誌」は、その「志んさい日誌」に
成田龍一「解説・関東大震災と『帝都』復興」を加えた復刻版である。
この解説は、関東大震災とその後の復興を
都市と、そこに生活する人々に焦点をあてて詳らかにしている。
「『志んさい日誌』は染川藍染の冷静な筆による職場での罹災と、その再会の経緯、街の破壊と復旧を主軸とし、家族や親類のことがらをあいだにおりこみつづられた関東大震災から復旧の時期にかけての記録である。彼の心のうごきは当時の上層サラリーマンの心情をしめしてあまりあると思われるが、そのこととあわせ、ここに関東大震災の記録・体験記の新たな収穫を得たといいうる。」
(成田龍一「解説・関東大震災と『帝都』復興」より)
(底本は1981(昭和56)年8月10日発行の第1版第1刷)
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